概要・特色
保存的治療と観血的治療とを使い分け、
早期離床に努めています
整形外科は、骨や軟骨、筋、靭帯、神経といった運動器官を構成するすべての組織に起こる疾病・外傷を対象に、その診察と治療を行う科です。対象となるのは、脊椎(脊柱)・脊髄や骨盤、上肢(肩、肘、手、手指)、下肢(股、膝、足、足指)などで、また診察対象も、新生児から高齢者まで全ての年齢層のため、治療が必要な患者数は極めて多いというのが特徴と言えます。
当院での特徴は、救急を主体とした病院ということで、外傷が多く、特に老人の骨折の治療が多いのが特徴です。当院の近くには病院が少なく、市民病院的な役割も担っております。外傷には、骨折以外に靭帯断裂・腱断裂などがあり、特にアキレス腱断裂は、クラッコー縫合法以外に当科独自の縫合法も行っており、また陳旧例に関しましても28年間放置例の手術経験もあります。お困りの方はご相談下さい。
また、当科の常勤医師4人中3人が日本手外科学会に所属しており、2008年より本学会より手外科基幹研修施設に認定されております。現在、手外科手術は年間200件ほどで、全手術件数の2/5を占めるようになり、まだまだ増加傾向にあります。当院で取り扱う疾患は、手指を含めた上肢の骨折を中心として、腱損傷・靭帯損傷・神経損傷などの外傷や、手根管症候群・肘部管症候群・ギヨン管症候群などの神経絞扼性疾患、バネ指やドケルバン病などの腱鞘炎、母指CM関節症・変形性肘関節症・ヘバーデン結節などの関節症、デュプイトラン拘縮や手指の腫瘍などを治療しております。ただし、今のところ手の先天異常は扱っておりません。
手外科については、まだ一般にはあまり知られていませんが、上肢全体を専門に手術などの治療を行う外科です。人が進化したのは手が自由に使えたからだといわれています。つまり、それだけ人にとって手は非常に重要な役割を果たしていて、身体の他の部位以上に繊細な構造をしていますから、専門の医師が必要だということで生まれた科です。もし何か手で不都合なことがあれば、当院にご相談下さい。
患者様の生活スタイルに合わせた人工膝関節術
現在、日本では、人工膝関節置換術(total knee arthroplasty:TKA)が年間約80,000件実施され、今後も増加が予測されるなかで術後の患者満足度の重要性が指摘されています。日本人は床面での生活が多く、正座や胡座など膝を大きく屈曲させる姿勢をとることがあり、生活様式の異なる欧米から供給される人工膝関節よりも可動域が良く、かつ安定性の高い機能再建が求められ、より自然の膝に近い動作を獲得できる手術が期待されています。
膝には、4つの靭帯があり、その中で前十字靱帯(ACL)と後十字靭帯(PCL)という膝関節の動作に重要な靭帯があり、脛骨の前後移動を制動する靭帯で、安定した跪き動作には不可欠な靭帯であります。しかし、人工関節手術の際にこの靭帯を切断する必要がある場合があります。従来の方法では前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)の両方ともを切除して行うか、もしくは、前十字靭帯(ACL)を切除し、後十字靭帯(PCL)のみを温存して手術が行われておりました。このACLをなんとか温存できないかと考えられた手術としてBCR(Bi-cruciate-Retaining)TKAが開発されました。前十字靱帯(ACL)とPCL温存型のBCR(Bi-cruciate-Retaining)TKA手術は、通常の人工膝関節と比較して手術手技が複雑で難易度も高いため,現時点ではトレーニングを受けた関節外科医のみに使用が限定されており、当院整形外科の飯田医師がその一人です。
飯田医師の人工膝関節手術は、膝の靭帯を切らない最新型の機種や、高度に変形した膝に対する機種、変形が内側だけならば内側だけを手術するUKA(単顆置換術)など、患者様の生活スタイルに合わせて、術後の良好な屈曲角度を含め、より良い機能改善を追求し、患者さん一人一人に最適の手術を行っています。
#UKA(単顆置換術)
変形が内側のみの場合、靭帯・外側の軟骨を温存するUKA(単顆置換術)を行なっております。UKAの方が傷が小さく、回復が早く、膝の曲がりも外側の軟骨が温存できているためよく曲がります。
#BCR(Bi-cruciate-Retaining)TKA
黄色丸に示されるように中央に前十字靭帯(ACL)を温存したまま、人工膝関節置換術を行 なっている。これにより全ての靭帯を温存したまま、UKAでは難しいO脚変形の矯正が行えている(赤矢印)。
診療方針
外傷一般、例えば骨折に対しては、一部を除いてまず保存的加療が望まれます。必要最小限の期間ギプス等の外固定をし、その後は早期に可動域訓練を始め、可能な限り骨折による機能障害を少なくするようにしています。また、手術が必要なときは、インフォームドコンセントを尽くし、骨折部を大きく展開することを可能な限り避けて、侵襲を少なくする努力をするとともに、早期に関節を動かして関節拘縮や筋萎縮を招かないようにしています。
骨の脆い高齢者の骨折(橈骨遠位端骨折・上腕骨近位端骨折・大腿骨頚部骨折・腰椎圧迫骨折)の症例も多く、保存的治療と観血的治療とを使い分け、早期離床に努めています。また、膝内障に対しては侵襲の少ない関節鏡手術で対応しています。その他、加齢に伴う変形性関節症や変形性腰椎症も、理学療法・投薬・注射を適宜組み合わせて治療しています。
医師紹介

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- 専門分野
- 整形外科
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- 認定資格
- 日本整形外科学会専門医、
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
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- 所属学会
- 日本整形外科学会、中部日本整形外科災害外科学会、
日本手外科学会
- 趣味
- 映画鑑賞、音楽鑑賞
- 好きな食べ物
- 好き嫌いはありません
- 休日にすること
- 掃除、整理
- モットー
- 患者様にやさしく

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- 専門分野
- 手外科
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- 認定資格
- 日本整形外科学会専門医、日本手外科学会専門医、
日本整形外科学会認定リウマチ医、
日本整形外科学会認定スポーツ医、
日本整形外科学会認定脊椎・脊髄病医、
日本リハビリテーション医学会認定臨床医、
身体障害者福祉法指定医師
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- 所属学会
- 日本整形外科学会(元代議員)、日本手外科学会、
中部日本整形災害外科学会(評議員)、日本骨折治療学会 、
日本肘関節学会、日本創外固定・骨延長学会
- 趣味
- テニス
- 休日にすること
- 書類整理
- モットー
- 備えあれば憂いなし

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- 専門分野
- 整形外科(膝、股関節、特に人工関節)
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- 認定資格
- 日本整形外科学会専門医
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- 所属学会
- 日本整形外科学会、日本人工関節学会、
JOSKAS(日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)
- 趣味
- バスケット・スキューバーダイビング
- 特技
- 手先が器用
- 好きな食べ物
- チョコレート
- 休日にすること
- 旅行
- モットー
- 一人一人の治療法を

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- 専門分野
- 整形外科